工場の生産管理の現場では、エンドユーザーからの品質への高い要求水準に応える必要がある一方で、複雑・高度化する構成・工程に日々、頭を抱えているかと思います。人手不足や人件費高騰もあり、これまでの人ありきの品質管理には限界が出てきているのが実状ではないでしょうか。今回は工程管理・品質管理で非常に役立つRICOHの作業支援カメラ「SC-10A」をご紹介いたします。
急激に減少する労働人口
我が国は急激な少子高齢化社会に向かっています。総務省の予測では2050年には5,275万人と2021年に比較して約7割に減少するとしています。さらに毎年発表される出生率や新生児の出生者数は厚生労働省の予測を大きく下回る形で推移しており、労働人口の減少は毎年加速度的に進んでいくと考えられます。
こうした労働力不足を実質的に補う目的で実施されている技能実習生制度についても、近年の急激な円安で他の国々との労働力の奪い合いというグローバルな競争の中、今後の先行きは不透明になりつつありますし、規制緩和により従来3年としていた転籍が1年に短縮されることにより、短期間で離職されるリスクも高まるなど、先行きが不安定な状況です。
深刻化する管理職不足
こうした作業者レベルの人員不足に加え、近年顕在化しているのが「管理者不足」です。
ただでさえ人手不足・労働力不足に加えて、「管理職になりたくない人が増えている」のです。背景には、責任ばかり増えてしまう、求人売り手市場の時代において転職が(特に若い世代は)非常に容易であること、一つの会社に定年まで勤務するイメージが沸かない不安定な社会事情などの人生観・仕事感の変化が挙げられます。日経ビジネスが武蔵野大学と共同で行った調査でも、実に半数の5割が管理職への昇進の打診について承認しないと回答しています。
このように、作業者・管理職ともに人材不足となっている状況において、品質管理を従来の人海戦術・人の目・人の能力に依存し続けるのは限界が見えてきているといえるでしょう。
通常の監視カメラでは課題が多い
近年、不祥事が発生した際などの追跡・調査のために導入が進んでいるのが、AIではない監視カメラによる現場作業の録画です。ネットワークカメラなどを活用し、本社と現場工場をリアルタイムで結ぶなどすることで、常に現場の状況を目視で確認でき、万が一のトラブルの際にも録画映像を確認することで原因解明につながるメリットがあります。
しかしあくまでこの方法も「人間が目視で行う」ことに変わりなく、トラブル発生のタイミングが不確かな場合には、24時間録画された映像を複数日に渡って延々とチェックしつづける必要があり、確認する側の注意力や忍耐力にも限界があります。
注目のAI技術も、導入ハードルが高い
近年注目されている「AI」。これを活用した「AIカメラ」により、工場や建設現場などでは事故や転倒、侵入不許可エリアへの侵入などを自動的に検知し、管理者にアラートを通知するシステムを導入する企業が増えています。
しかしこうしたAIカメラは、ある程度まとまったカメラの台数を用意する必要があることや、事前の大量の機械学習によるエラーである状態の認識、それに伴う複雑な設定・プログラムが必要となり、導入コスト・ランニングコストが高額になってしまうという課題があります。
さらに工場の製造工程を監視するような局所的な作業に対応したものはまだありません。
製造工程を自動でチェックする画期的なカメラ
不足する労働力に対して、採用の基準・水準を下げたり、未経験者の雇用拡大を迫られる一方で、教える側の負担も増える上にそもそも管理職自体が足りないという状況において、
製品の製造工程における作業手順や検品の精度・品質を確保することは非常に困難です。
しかし、
作業内容や工程を画面に表示
正しく作業が行われているか自動で判定
正しい作業内容であれば次の作業内容を表示
誤った組み立てや配置の場合はNG判定し、次工程を表示しない
工程ごとの作業時間を設定し、遅れがあれば指摘
作業内容を記録し、後日追跡が可能
1台からPC不要で導入可能
といった機能をもった夢のようなカメラが1台から導入できるとしたら、いかがでしょうか???
RICOH 作業監視カメラ「SC-10A」
それが大手光学機器メーカー・RICOHが販売している「SC-10A」です。
1.作業内容や工程を画面に表示
カメラをモニターと接続すると、専用の画面が表示されます。
SC-10AはPC不要ですべての設定が行える上、これ1台だけで作業者に使用してもらえるスグレモノです。設定画面も「判定箇所」「判定方法」「マニュアル画像」「正しい状態の画像」の4つを画面の手順に沿って設定していくだけですので、コツをつかめばすぐに扱えるものとなっています。
作業用の画面では、作業者が画面上の「スタート」ボタンをクリックすると、先に設定した「マニュアル画像」が画面に表示されるので、その内容に沿って部品を組み立てることができます。
2.正しく作業が行われているか自動で判定
画面に表示されたマニュアル画像に従って作業が完了すると、先に設定した「判定箇所」「判定方法」「正しい状態の画像」を使ってカメラが自動で判定します!
正しい状態と判定された時のみ、次の工程のマニュアル画像が表示されますので、複数の工程でも順番を飛ばすことなく確実に進めることができます。
3.誤った組み立てや配置の場合はNG判定し、次工程を表示しない
もし作業者が不慣れだったり、ポカミスをしてしまった場合には、"NG" 判定となり、正しく作業が行われるまで次の工程の表示は出ません。
自動での判定は、「部品の過不足」「形状の不一致」「色の不一致」「質感の不一致」が選択でき、
部品の取付漏れや取付場所の相違
異なる部品の取付や取付方法の誤り
左右や裏表の異なる取付の誤り
袋詰めの有無などの判定
などを自動で行うことができ、これまで各員の熟練度・習熟度、集中力の低下や思い込みなどのミスを各工程ですぐに検知・通知できるようになります。
4.工程ごとの作業時間を設定し、遅れがあれば指摘
SC-10Aはこのような優れた自動判定カメラでありながら、内蔵されているソフトウェアは現場の製造管理の実情に合わせて、各工程毎の標準作業時間・最大作業時間を設定することが可能となっています。作業中はこの設定した時間に合わせて画面上でプログレスバーが表示され、作業者はその工程をどのぐらいのスピードで対応すべきかを認識することができます。また、最大作業時間より大幅な遅れがあれば、作業者に個別で工程を指導するなどの対応を図ることで、ピンポイントで生産性を向上させることができるでしょう。
5.作業内容を記録し、後日追跡が可能
各工程だけでなく最終完成品のチェックにも当然ながらSC-10Aを利用することで、組み立て漏れ・傷・汚れ・付属品の過不足などを確認することができます。このような厳密な管理においても、万が一トラブルが発生したとなっても、SC-10Aには各作業者毎・各工程毎の記録が残っていますので、トラブルがあった箇所に絞って当時の状況を追跡することが可能となり、現場作業におけるトレーサビリティの確立にも貢献します。
6.1台からPC不要で導入可能
1つ目の項目のとおり、SC-10Aは本体カメラのみで動作します。(作業や設定用にモニターとキーボード・マウスは必要)
作業台・作業者毎にパソコンを用意する必要がなくスタンドアローンで動作するため、コスト面・セキュリティ面・運用面など非常にパフォーマンスが高い製品となっています。
例えば、本格的なAIカメラによる検品を実現しようとすると、
専用のカメラ
作業者用PC
管理者用PC
設定・運用用のソフトウェア
ネットワーク環境
といった具合に、非常に煩雑かつ高額なコストが見込まれるのは容易にお分かりいただけるのではないでしょうか。
SC-10Aの活用事例
自動で工程管理をチェックしてくれる魔法のカメラともいえる「SC-10A」ですが、どのようなシーンでの活用が考えられるでしょうか。
1.製造現場
製造工場における工程管理は、SC-10Aがもっとも得意とする分野です。
習熟度が低いスタッフでも、画面に表示されるマニュアルに沿って部品を組み立てていき、工程毎に自動でチェックが行われるため、ゲーム感覚で作業を正常に進めることができるでしょう。
2.EC配送・物流センター
インターネット通販などECサイトからの注文の品をピッキングし、梱包・出荷するECの配送・物流センターでも活用が考えられます。輸送箱に注文された商品が正しくセット・梱包されているかを自動でチェックさせることで、梱包ミスや同梱漏れなどを防ぐことが可能でしょう。
3.飲食店・洋菓子店
飲食店でも、メニューごとの盛り付けの工程を設定することで繁忙期などに雇用した短時間バイトによる作業でも、本来の手順・盛り付け方を行うことができるようになるでしょう。
1台から単体で動作するため、「ラッピング作業」「iPhone修理店」など難解だったり複雑な工程があるシーン・業種でも利用できるのではないでしょうか。
SC-10Aの導入・購入は「トレネッツ.」
トレネッツ.は、防犯カメラ・セキュリティのプロ。SC-10Aの設置や運用に関する疑問やご相談がある場合は、トレネッツまでお気軽にお問い合わせください。
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